神経痛
神経痛とはなにか
日常、よく「また、神経痛が出てね」などと言う会話がなされますが、一般人の言う神経痛という病気にはかなり”誤解”もあるようです。
神経痛とは「末梢神経の障害によって生じる痛み」の病気のことです。その痛みは神経の走路に沿って出るため、顔面、体幹部、四肢などさまざまで、出る部位によって三叉神経痛・肋間神経派・座骨神経痛などと呼ばれています。
しかし、神経痛の痛みには、すべて共通する点があります。それは、①神経が走行している部位に沿って、電撃のように痛みがビリヒリと走る、②痛みは数秒から数分程度と短く、間欠的に生じる、③痛みが神経走路に沿って上がったり下がったりする、④神経に触れたり、冷水を飲んだときなどのような刺激に誘発されやすいこと、などです。 また、神経痛には老化要因が強く影響するため、50代以上の高齢者に多く、年齢が上がるにしたかって増加する傾向があります。たたし、男女差はありません。 神経痛には、ヘルペスの後遺症も多い
もっとも多いのは、顔面に痛みが出る三叉神経痛です。 三叉神経は顔面から頭蓋内に入って脳幹部に達しています。脳幹部の神経根と呼ばれる部分の周りは、細い動脈が収り巻いているのですが、この動脈が神経根を圧迫したり癒着したりしているとき、特発性の三叉神経痛が起こります。
特発性のものは神経根を圧迫している動脈を取り除いてやれば治るため、顕微鏡下での脳外科手術によって9割程度は根治可能です。 しかし、この病気が高齢者に多いところから、全例に手術を実施することができないこともあります。そのような場合には、薬剤によって治療することになりますが、その際にはカルバマゼビンという薬剤剤を1日2錠から4錠服用することになります。しかし、この薬剤には、めまいや、ふらつきなどの副作用もあるため、最初は少量投与から始められます。また、薬物療法による改善効果は8割程度とされています。
注意していただきたいのは、三叉神経痛には特発性のものだけてなく、帯状疱疹というヘルペスウイルスの感染の後遺症として生じるものがあるということです。このヘルペスウイルスは神経を好む性質があり、高齢者や全身の抵抗力が落ちた成人では再感染する例が少なくありません。
帯状疱疹にかかった人では、初期(急性期)には三叉神経や肋間神経に沿った部位に、激しい痛みや腫れが生じるとともに、皮膚表面に水疱が出ます。ふつう水疱は1~3週間で消えるのですが、後遺症として神経痛が出ることがあります。50代では20%以下なのですか、60代では60%、70代では70%、80代では80%と、高齢化とともに増加していきます。
また、帯状疱疹の後遺症としての神経痛は、慢性化することが多く、痛みに対する悩みが痛みそのものを増悪させるという悪循環を繰りかえすケースも少なくありません。
したがって、初期 (急性期)の治療が大切なのですが、帯状疱疹そのものの治療も容易ではありません。 ヘルペスウイルスの治際には、アシクロビルといつ抗ウイルス剤と、炎症を止めるためのステロイド剤が用いられます。また、この痛みに対して通常の消炎鎮痛剤はあまり効かず、残念ながらカルバマゼビンも特発性三叉神経痛のようには効きません。
そこで、カルバマゼピンとあわせて、抗うつ剤や、クロナゼパムという抗てんかん薬を組み合わせ使用する方法がとられます。なお、杭うつ剤を使用するのは、脳内で痛みを感じる神経の作用を遮断するためです。
しかし、慢性痛に対する薬物治療の効果は完全ではなく、現状では10の痛みを5ないし3程度に抑えるのが限界なので、このような人では “痛みとの共存”が必要となります。 慢性痛で悩んでいる人はー度神経内科へ
神経痛のなかで、とくによく”誤解”されるのは座骨神経痛です。先にも述べたように、神経痛の痛みは「痛みがビリビリと走ること」と、その痛みか「数秒から数分程度と短い」のが特徴です。したがって、腰部や臀部などで持続する鈍痛や、しびれがある場合は、神経痛ではないということになります。
腰痛の多くは椎間板ヘルニアなどのような腰椎・椎間板の変性にともなう病変で、当然このような病気では治療法も異なります。
専門医にとって、神経痛の診断そのものはさほどむずかしくはないのですか、病気の本態が神経にあるため、治療に際しては、その医師に神経病変に理解のあることが重要なポイントになります。
神経痛の治療法として、神経ブロックなどが実施されることもありますが、その多くは一過性の(一時的)効果しか期待できません。
また、この病気がとくに高齢者に多いことも、生活その他で多くの困難や支障をきたす原因ともなっています。神経痛の耐えがたい痛みのため、仕事の断念を余儀なくされたり、よい治療法を求めるためだけでなく、医師に対する不信感から次々と医療機関を転院する人たちも少なくありません。
それだけに、神経痛の治療では、病態に対する十分な理解だけでなく、こころのケアも大切になります。 症状に思い当たる人や、長く慢性痛に苦しんでおられる人は、一度神経内科などのような、神経病変に理解のある医師のいる医療施設を訪ねられることをお勧めします。
日常、よく「また、神経痛が出てね」などと言う会話がなされますが、一般人の言う神経痛という病気にはかなり”誤解”もあるようです。
神経痛とは「末梢神経の障害によって生じる痛み」の病気のことです。その痛みは神経の走路に沿って出るため、顔面、体幹部、四肢などさまざまで、出る部位によって三叉神経痛・肋間神経派・座骨神経痛などと呼ばれています。
しかし、神経痛の痛みには、すべて共通する点があります。それは、①神経が走行している部位に沿って、電撃のように痛みがビリヒリと走る、②痛みは数秒から数分程度と短く、間欠的に生じる、③痛みが神経走路に沿って上がったり下がったりする、④神経に触れたり、冷水を飲んだときなどのような刺激に誘発されやすいこと、などです。 また、神経痛には老化要因が強く影響するため、50代以上の高齢者に多く、年齢が上がるにしたかって増加する傾向があります。たたし、男女差はありません。 神経痛には、ヘルペスの後遺症も多い
もっとも多いのは、顔面に痛みが出る三叉神経痛です。 三叉神経は顔面から頭蓋内に入って脳幹部に達しています。脳幹部の神経根と呼ばれる部分の周りは、細い動脈が収り巻いているのですが、この動脈が神経根を圧迫したり癒着したりしているとき、特発性の三叉神経痛が起こります。
特発性のものは神経根を圧迫している動脈を取り除いてやれば治るため、顕微鏡下での脳外科手術によって9割程度は根治可能です。 しかし、この病気が高齢者に多いところから、全例に手術を実施することができないこともあります。そのような場合には、薬剤によって治療することになりますが、その際にはカルバマゼビンという薬剤剤を1日2錠から4錠服用することになります。しかし、この薬剤には、めまいや、ふらつきなどの副作用もあるため、最初は少量投与から始められます。また、薬物療法による改善効果は8割程度とされています。
注意していただきたいのは、三叉神経痛には特発性のものだけてなく、帯状疱疹というヘルペスウイルスの感染の後遺症として生じるものがあるということです。このヘルペスウイルスは神経を好む性質があり、高齢者や全身の抵抗力が落ちた成人では再感染する例が少なくありません。
帯状疱疹にかかった人では、初期(急性期)には三叉神経や肋間神経に沿った部位に、激しい痛みや腫れが生じるとともに、皮膚表面に水疱が出ます。ふつう水疱は1~3週間で消えるのですが、後遺症として神経痛が出ることがあります。50代では20%以下なのですか、60代では60%、70代では70%、80代では80%と、高齢化とともに増加していきます。
また、帯状疱疹の後遺症としての神経痛は、慢性化することが多く、痛みに対する悩みが痛みそのものを増悪させるという悪循環を繰りかえすケースも少なくありません。
したがって、初期 (急性期)の治療が大切なのですが、帯状疱疹そのものの治療も容易ではありません。 ヘルペスウイルスの治際には、アシクロビルといつ抗ウイルス剤と、炎症を止めるためのステロイド剤が用いられます。また、この痛みに対して通常の消炎鎮痛剤はあまり効かず、残念ながらカルバマゼビンも特発性三叉神経痛のようには効きません。
そこで、カルバマゼピンとあわせて、抗うつ剤や、クロナゼパムという抗てんかん薬を組み合わせ使用する方法がとられます。なお、杭うつ剤を使用するのは、脳内で痛みを感じる神経の作用を遮断するためです。
しかし、慢性痛に対する薬物治療の効果は完全ではなく、現状では10の痛みを5ないし3程度に抑えるのが限界なので、このような人では “痛みとの共存”が必要となります。 慢性痛で悩んでいる人はー度神経内科へ
神経痛のなかで、とくによく”誤解”されるのは座骨神経痛です。先にも述べたように、神経痛の痛みは「痛みがビリビリと走ること」と、その痛みか「数秒から数分程度と短い」のが特徴です。したがって、腰部や臀部などで持続する鈍痛や、しびれがある場合は、神経痛ではないということになります。
腰痛の多くは椎間板ヘルニアなどのような腰椎・椎間板の変性にともなう病変で、当然このような病気では治療法も異なります。
専門医にとって、神経痛の診断そのものはさほどむずかしくはないのですか、病気の本態が神経にあるため、治療に際しては、その医師に神経病変に理解のあることが重要なポイントになります。
神経痛の治療法として、神経ブロックなどが実施されることもありますが、その多くは一過性の(一時的)効果しか期待できません。
また、この病気がとくに高齢者に多いことも、生活その他で多くの困難や支障をきたす原因ともなっています。神経痛の耐えがたい痛みのため、仕事の断念を余儀なくされたり、よい治療法を求めるためだけでなく、医師に対する不信感から次々と医療機関を転院する人たちも少なくありません。
それだけに、神経痛の治療では、病態に対する十分な理解だけでなく、こころのケアも大切になります。 症状に思い当たる人や、長く慢性痛に苦しんでおられる人は、一度神経内科などのような、神経病変に理解のある医師のいる医療施設を訪ねられることをお勧めします。
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